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フィクトセクシュアル (Fictosexual)とは、創作上のキャラクターに性的に惹かれるセクシュアリティです。医学的な診断カテゴリーではなく、当事者のためのアイデンティティのラベルです[1]。創作上のキャラクターに対してつよく持続的な愛や欲望や性的慕情をおぼえる人[2]、または、性的な創作物を愛好しつつも実在の他者には性的慕情をおぼえない人が[3]、フィクトセクシュアルを自認しています。

慕情をおぼえる創作上のキャラクターの性別と現実において慕情をおぼえる対象の性別が異なる場合もあります。例えば、ある人は女性として描かれたキャラクターに性的慕情をおぼえるかもしれませんが、現実ではどのような性別の人にも性的慕情をおぼえるかもしれません。

フィクトセクシュアルはAセクシュアル・スペクトラムのひとつとして用いられることもあり、とくにエーゴセクシュアルに当たる人もいます[3]。対応する恋愛指向を表す言葉はフィクトロマンティックです。対義語はヴェリタセクシュアルです


コミュニティ[]

歴史[]

架空ないしは絶対に会うことのできないキャラクターとの関係は、西洋において18世紀にまでさかのぼることができます[4]

日本では、Aセクシュアルの可視化が進む以前の1980年代から、とくに「二次元」をめぐるセクシュアリティとして顕在化しており[5]、現在ではクィア理論的な研究も進んでいます[6]。また日本だけでなく台湾などの他国でも、「二次元」に関するフィクトセクシュアルについて、独自のサブカルチャーや政治的アクティビズムが生じています[5]

フラッグ[]

もっとも有名なものはフィクトセクシャルかつアセクシュアル当事者のために2015年pastelmemerによって作られたものです[7]

  • 黒とグレーのストライプは、実在する個人への慕情のなさ
  • 紫:性的慕情とAセクシュアル・スペクトラム
  • 黒い丸:フィクションの世界の「入口」portal
  • ピンク:架空のキャラクターへの慕情

当事者たち[]

  • 近藤顕彦[8]
  • 村田沙耶香[9]

当事者コミュニティ[]

References[]

  1. 松浦優,2023, 「フィクトセクシュアルから考えるジェンダー/セクシュアリティの政治」
  2. Karhulahti, Veli-Matti and Välisalo, Tanja. (2021, Jan 12). Fictosexuality, Fictoromance, and Fictophilia: A Qualitative Study of Love and Desire for Fictional Characters, Sec. Gender, Sex and Sexualities. DOI:10.3389/fpsyg.2020.575427.
  3. 3.0 3.1 松浦優,2021,「日常生活の自明性によるクレイム申し立ての「予めの排除/抹消」」『現代の社会病理』第36号
  4. Caughey J. (1984). Imaginary Social Worlds: A Cultural Approach. Lincoln, NE: University of Nebraska Press.
  5. 5.0 5.1 Fictosexual Manifesto: Their Position, Political Possibility, and Critical Resistance
  6. 松浦優. (2022). 「アニメーション的な誤配としての多重見当識――非対人性愛的な「二次元」へのセクシュアリティに関する理論的考察」『ジェンダー研究』 (25) pp. 139-157. https://doi.org/10.24567/0002000551
  7. https://www.deviantart.com/pride-flags/art/Aspec-Fictosexual-Fictonsexual-557589537
  8. Court, Andrew.unknown. (2022, Apr 27) Retrieved from https://nypost.com/article/what-is-fictosexuality-meaning-definition/
  9. Elif Batuman, 2025, Sayaka Murata’s Alien Eye, The New Yorker. ,https://www.newyorker.com/magazine/2025/04/14/sayaka-muratas-alien-eye