フェミニン

フェミニン
基本情報
分類	ジェンダー表現
関連
比較	フェム

女性らしさ、女性性またはフェミニニティとは、女性であること、および/または女性の性的特徴を持つことに文化的に関連付けられている一連の行動、表現、および役割です。出生時に割り当てられた性別、ジェンダー・アイデンティティや性的指向に関係なく女性らしいことがあります。 「共感、感受性、優雅さ」を含む多くの特性を持っているとステレオタイプ的に考えられています。

語源

「フェミニン」は、文法における性を意味するラテン語の形容詞femininusが語源です。「女性らしい、女性のような、女性に固有または特徴的な」という意味では 15 世紀半ばから記録されています。 一方、名詞「フェミニニティ」に関しては、1853年には「女性であるという人格をもつことまたはその状態」としての使用が確認されています。

コミュニティ

女性らしさは社会文化的環境によって形作られ、生物学には依存していません。多様でダイナミックで、 文化や個人によって変化します。女性らしさの基準は、個人の文化、階級、宗教、国民文化、およびその他の社会的影響に基づいて変化する可能性があります。さらに、ジェンダー・アイデンティティやジェンダー表現に関係なく、多くの人が意識的または無意識に、その共同体における女性らしさの在り方に影響しています。

ハイパーフェミニニティ

これは、女性であることに関するステレオタイプな行動の誇張を説明するために使用される用語です。一部のクィアの人々は、ドラァグなどのコミュニティでハイパーフェミニンな装いを通じて、自己実現やステレオタイプの打破を試みます。一方で、これに対して反感を持つ人もいます。

フェムとの違い

主要記事：フェム

女性らしさ（femininity）は、レズビアンコミュニティを中心に使用されるフェムとは異なります。フェムは女性らしさとクィア性との間の意図的な関係です。つまり、男らしさ（masculinity）が女性のクィア表現の唯一の形であるという考えを拒否し、代わりにステレオタイプや望ましい外見を完全に受け入れます。異性愛者の女性はフェムではありませんが、フェミニンである可能性があります。

差別

セクシズム

フェミニニティをとりまくステレオタイプにより、フェミニンな個人はたとえば優しく寛容で、受け身であることを求められることがあります。このように、その人のジェンダー・アイデンティティや出生時に割り当てられた性別に関わらず、セクシズムの対象となることがあります。また、フェミニニティは女性、特にAFABとつよく結びつけられることから、AFABでない個人がフェミニンである場合、差別を経験することがあります。

女性らしさの嫌悪

女性らしさは、劣っていて、ターゲットであり、「本物」ではないと一部の人々によって見なされる可能性があります。このような女性らしさの嫌悪は、女性らしさの価値の低下であり、あらゆるマイノリティに対する暴力の増加に直接関係します。多くのクィア男性が女性らしさの嫌悪と同性愛嫌悪の組み合わせを経験しているため、特に問題になっています。また、レズビアンコミュニティでは、フェム系の人を消してしまいます。

男性ゲイにおける女性らしさ

ゲイの出会い系アプリで「no femmes」「no Queens」「masc4masc」などの用語の使用が問題となってきています。このような用語は、フェミニンな男性を排除してしまいます。 パートナーの好みや自然な欲求の対象は尊重されるべきですが、LGBTQ+コミュニティのメンバーによるによる女性らしいゲイ男性に対する偏見には、多くの人が異議を唱えています。この背景には、すべてのゲイの男性はフェミニンな特徴を示さなければならない、または古典的なフェミニンな表現を示す男性はクィアであるという偏見があります。これは、カムアウトしていないゲイの男性や女性的な非ゲイ男性の両方にとってますます大きな理由です。多くの人は、これらの決まり文句やステレオタイプを避けるために女性らしさを隠す必要があると感じてしまっています。

クィア女性の女性らしさ

1970年代のいわゆるラディカルおよびレズビアン・フェミニストの間では、「フェミニニティ」は男性のためのものであり、家父長制の道具であると考えられていました。多くのレズビアンは化粧をはじめとしたさまざまな「フェミニン」とされる装いを拒絶し、ブッチとフェムのカップルを男性－女性カップルの鏡写しとして非難しました。

1980年代から1990年代にかけて、フェミニンおよびマスキュリンなレズビアンは、自身のジェンダー表現を肯定的に受け入れるようになりました。その一方で、レズビアンがブッチや中性的であるという考えが一般に広まりました。これは、クィアなフェミニン女性を「自分探し」中のヘテロセクシャルな女性であると認識させる原因ともなってしまいました。 同時に、フェミニンなありかたの非難も広まり、フェミニンな女性が「ゲイにしては可愛すぎる」として、LGBTQ+スペースからの排除も広まってしまいました。 その結果、フェミニンな女性はクィアな空間でカムアウトを迫られることも多発しました

こちらもご覧ください

• 女性らしさ - Wikipedia
• ブッチ （バイ/レズビアン・コミュニティからの男性らしい女性の性別の表現）
• フェム （バイ/レズビアン・コミュニティからの女性らしい性別の表現）
• a list of tropes around Femininity from tvtropes（英語）